2023-2-20
私は横浜町に住み54年になります。専門学校に通うため青森県を離れた以外、ほぼ青森県内から離れたことはありません。小さなころから慣れ親しんでいるこの横浜町ですが、夕日が観光資源になると考えたことはありませんでした。
きっかけは20年以上前、通勤でいつも利用していた県道24号横浜六ヶ所線を六ヶ所村からJR吹越駅方面への帰宅途中に、陸奥湾に沈む夕日がとても綺麗で感動したことでした。今まで幾度となく見ていたのに不思議なものですよね。
それから、夕日が綺麗に見える場所を探しては携帯で写真を撮るようになり、「これ観光にできないものかな?」と思うようになりました。しかし、「ここに展望台を作ればいいんじゃない?でもお金は誰が出すの?」と悶々とするうち、昔のように何気ない夕日となっていました。
しかし、ある方がFacebookで夕焼けの写真を投稿したことがきっかけとなり、「よこはまSUN*SUNプロジェクト」を立ち上げることになりました。その写真を投稿した方は、横浜町で土産物店「トラベルプラザ・サンシャイン」を経営する杉山 徹社長で、夕日スポットとしてのホタテ観音など、横浜町の夕日に注目していた方でした。
社長が写真を投稿したその日に「この夕日を観光にできないものですかね?」と言ったところ話が弾み、まずはSNSを利用し、いろいろな場所から撮ってもらった写真を投稿してもらおうと言うことになりました。そうしたら「実は私も夕日の写真を撮っていたよ」というように投稿が集まり、フォロワーが増えていきました。
プロジェクトとしては、通年観光として夕日を見に来たり、写真を撮りに来ていただき、お店や飲食店に観光客が還流してくれる仕組みを作ることが目標です。それは数年後にむつ市まで開通する下北半島縦貫道を見据えてのことです。開通すると横浜町は通過点となり、お店の売上は下がることでしょう。また、SNSを最大限に利用することで、あまりお金をかけない観光を実現させたいと思っています。
さて、下北半島を斧に例えると横浜町は柄の部分となり、陸奥湾に面した縦に長い町です。南には八甲田連峰、西には岩木山や津軽半島、夏泊半島、北には釜臥山、東には東北百名山にも選定されている町のシンボル吹越烏帽子など360度の眺望絶佳です。
そんな眺望絶佳の町で見る朝日や夕日はさらに絶景と言えるでしょう。特に聖地と呼んでも良いくらいのベストスポットは「トラベルプラザ・サンシャイン」から見る夕日です。遮るものがなく、釜臥山や岩木山など全てが見えるため、日中でも綺麗です。
次に絶景なのは、浜田地区の海岸線、砂浜海岸海水浴場や国道279号線沿いの「はまなすドライブイン」付近の砂浜海岸線。いずれも真っ直ぐで遮るものがなく、ドローン撮影にも向いています。
意外と知られていないのが、横浜中学校前を通る農道です。高台になっているので陸奥湾を一望できます。そして、朝日も綺麗に見えます。特に吹越烏帽子が近くに見え、山の間から出る朝日を狙うにはおすすめのスポットです。
また、既にご存知だとは思いますが、菜の花畑と朝日を撮るには菜の花フェスティバル会場。丘と風力発電での間から覗く朝日は、この季節限定の絶景スポットです。
こんな楽しみ方もあります。横浜町の花火大会のときに、夕日を眺めてから夜はそのまま花火を楽しむ。また、621(むつわん)野営場でキャンプをしながら夕日を眺め、夜はむつ市の街並みの夜景を楽しむのも穴場的な楽しみ方です。
ぜひ、春夏秋冬の横浜町の朝日と夕日を見に来て下さい。季節によって日の出や日の入りの場所も変化し、言葉では言い表せない絶景が広がっています。
2023-3-1
グラフ青森 青森の暮らし編集部
今回の下北自慢エッセイ♯20は横浜町の夕日のお話でしたが、下北の夕日といえば、私は大間町奥戸(おこっぺ)地区の赤石海岸から見える夕日の美しさも印象に残っています。 その奥戸で思い出したのが、大間町と横浜町に共通するもうひとつの下北自慢です。それは下北地方ならではのジャガイモ。
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