2021-11-19

冬こそ薬研渓流の私的・ベストシーズン

長岡 俊成(イカす大畑カダル団 代表) むつ市在住プロフィール

下北半島の奥座敷といわれる奥薬研温泉・薬研温泉の中心を流れる薬研渓流は、紅葉の名所として知られている。

ハウチワカエデやヤマモミジといった赤く色づくカエデ類が多いのがその特色で、緑・黄・赤の競演が素晴らしい。

毎年10月中旬から11月上旬にかけて、薬研渓流には多くの観光客が訪れ、思い思いに秋ならではの絶景にひたる。

散策路を歩き渓流沿いの紅葉を楽しむ人、紅葉のパノラマが見られる橋のたもとで記念写真を撮る鈴なりの人々、森の中に落ちた落ち葉や木の実を拾い集める親子など。
「薬研はやっぱり観光地だのー」と、ちょっと誇らしく感じる季節だ。

しかし、紅葉がすっかり地面に落ちて広葉樹が丸裸になり、空から白いものがちらちらと落ちてくる11月頃になると、あれだけ沢山訪れていた観光客の姿がピタッと見えなくなる。人かと思ってよく見ると猿…。

シーーーーーン。という音が聞こえてくるような気がするほどの静寂が訪れる。やがて、薬研渓流沿いの冬は、音もなくシンシンと雪が降り積もる。

実は、私が薬研渓流を最も良く訪れるのがこの冬なのだ。

ヒバやブナといった樹木の葉には雪の花が咲き、道路はさながら雪のトンネル。途中、渓流沿いに車を停めれば、川の中に点在する石に雪がこんもりと積もり、その間を清冽な川の水がサラサラと流れる様は水墨画のようだ。

目的地である奥薬研温泉に到着するとスノーシューに履き替え、一路ヒバ施業実験林を目指す。楽しみなのは、実は冬が一番生き生きと活動する季節である青森ヒバの観察、そして野生動物が雪の上に残してくれた足跡を追う「アニマルトラック(動物足跡探検)」、さらには、広葉樹の冬芽観察だ。

スノーシューウォークの休憩の際、持参したコーヒーを飲むのが至福のひととき。そしてそのまま森の音、川のせせらぎに耳を澄ます。日頃のストレスがすーっと消えていくのを感じる。

最後はレストハウスに併設された足湯で冷え切った足を温める。全身を血流がめぐるのを感じながら帰路につくが、その道中はもちろん、雪のトンネルを楽しみながらの帰路だ。

冬こそ薬研渓流のベストシーズン!と私は声を大にして言いたい。

― 補足情報 ―
■奥薬研修景公園レストハウス
・ホームページ https://oku-yagen.jp/
※冬期間もレストハウスまで除雪されており車の通行が可能です。
※スノーシューの貸し出しはしておりません。ご自身でご持参ください。

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\ この記事の著者 /

長岡 俊成(ながおか しゅんじょう)

イカす大畑カダル団 代表

むつ市在住

むつ市生まれ。
平成23年に東京からUターン。平成24年に地域づくり団体「イカす大畑カダル団」を結成。薬研温泉を拠点とし、森から地域を元気にする活動を実践している。
そのほか、地域づくり団体「海峡ロデオ大畑」の事務局長も務め、海からも地域を盛り上げている。曹洞宗円祥山大安寺副住職としての顔も持つ。

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