2022-2-18

【特別寄稿】天国に一番近い場所?『恐山』

飯原 綾華(日本航空株式会社・JALふるさと応援隊)むつ市出身プロフィール

みなさんは、地獄や天国を信じますか?もしこの世に天国に一番近い場所が存在したら行ってみたいですか?私の大好きな場所、帰省するたびに訪れる『恐山』をご紹介します。

三沢空港から車で北に2時間半程度の場所にある恐山は、日本三大霊場の一つで”天国に一番近い場所”とされ故人の面影を偲ぶ場所として日本全国から多くの人が訪れます。地元住民は、日常会話でも恐山の話が出ることは少なくありません。霊やオカルトのイメージが先行しがちですが、私にとって恐山は身近な場所で、行くと心静まる場所、心が洗われる場所でもあります。俗にいう”パワースポット”のようなものでしょうか。田舎ならではかも知れませんが、小さい頃からお墓、ご先祖、神様を身近な存在として大切にしており、またそのようにしている家族を見て育つので、霊場が恐怖の対象ではなかったからかもしれません。でも幼い頃に母に連れられて恐山に行ったあと、私が自宅ストーブの金属製の柵を棒で叩きながらずっとなにかを唱えていたんだとか。その時は祖母をとてもびっくりさせたようですが、今では恒例の思い出話鉄板ネタになっています。

恐山は活火山なので、剥き出しの岩肌から火山ガスが噴出し、硫黄臭が立ちこめています。これが、独特の雰囲気を醸し出し「地獄」に例えられています。一方で、岩場地帯を抜けると山々の中心に白浜が美しい宇曽利湖が現れます。その美しさと静けさが「地獄」と対比して「天国(極楽浄土)」とされる理由です。

数年前に帰省した際、下北在住80年以上の祖父が宇曽利湖の前で休憩しながら囲まれた山々の名前をひとつずつ教えてくれたのですが、訛っていて全然聞き取れないのが面白くて面白くて。家族みんなで大笑いした声が静かな湖に響き渡り、うまく表現できないのですが、自然に恵まれ、穏やかな日常への感謝からでしょうか、心から幸せを感じました。あぁこの幸せな時間、綺麗な景色、これが天国なのかも、と。

私たちが恐山に行く目的はもう一つあります。それは、恐山の境内にある温泉に入ることです。活火山の地熱で温められた源泉掛け流しの温泉は、まさに「極上の湯」。
脱衣所とお風呂のみのシンプルな温泉は昔湯治場として使われていたことを想像させます。恐山への入山料だけで入浴もできますので是非旅の疲れを癒してください。

恐山は心も身体も癒され、パワーをもらえる私の大事な場所です。 みなさんにとっても、恐山がそんな場所になることを願っています。青森県にお越しの際はぜひJALグループの翼をご利用ください。私たちJALふるさと応援隊は、地域とヒトを繋ぐ航空会社として地域の元気をつくり、笑顔を未来に繋いでまいります!

― 補足情報 ―
■霊場恐山
・寺名 恐山菩提寺(青森県むつ市田名部宇曽利山3-2)
・本坊 曹洞宗円通寺(青森県むつ市新町4-11)
・開山期間 毎年5月1日~10月末日
・開門時間 6:00~18:00(大祭典・秋詣り期間は別設)
・問合せ 恐山寺務所 0175-22-3825(代)/宿坊 0175-22-3826
・Webサイト https://osorezan.or.jp/

\ この記事の著者 /

飯原 綾華(いいはら・あやか)

日本航空株式会社・JALふるさと応援隊

むつ市出身

むつ市出身。
2014年日本航空株式会社へ入社し、客室乗務員として勤務。
JALふるさと応援隊として、地域の魅力の発掘や、地域の活性化活動等も行っている。
趣味 食べ歩き、ワインの勉強
好きな食べ物 祖父が作る味噌貝焼き(郷土料理)、嫁入り道具としてMy貝殼を持参

■JALふるさと応援隊
全国各地域の活性化をきめ細やかに応援するため、社内公募により選ばれ、全国 47 都道府県ごとに約 20 名、総勢 1,000 名の客室乗務員が活動。
地域イベントへの参加や地域産品の企画・PR など、地域の魅力を発掘し、地域の方々との絆づくりや活性化活動を継続的に行っている。
・「JALふるさとプロジェクト」サイトhttps://japan.jal.co.jp/
・JALの旅コミュニティ「trico」https://trico.jal.com/
user/profile/e/Dh0LqURuyOo

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